処暑を過ぎても、暑さがおさまらない。
NHKのまとめによると、先月の梅雨明け以降、8月30日までに“熱中症”とみられる症状で亡くなった人は、全国で少なくとも400人を超えたらしい。
今年の猛暑は異常で、「最高気温を更新」「熱帯夜」「地球全体がおかしい」など、連日話題になっている。
そして、長期予報では、9月中も真夏の暑さが続き、秋が来ないまま、冬に突入するらしい。
さらに、「遠からず、二季時代が到来」「四季の国では、なくなるかもしれない」という不安も聞えてくる。
春、秋の過ごしやすい季節は、待ち遠しいものである。温暖化などの異常気象が続くと、春と秋がなくなってしまい、“雨季”と“乾季”になってしまうのだろうか。
春: | 「春の雪」の甘美な世界は風情があり、胸をキュンとさせるものだが、桜の季節が近づくと、「春よ来い、早く来い」と願う。 |
---|---|
秋: | 暑さが落ち着くと、スポーツの秋、読書の秋、味覚の秋、紅葉狩り……と、食欲が増し、意欲がわいて色々なことをしたくなる。 |
日本には、彩り豊かな四季があるが、今年は「暑さに弱い高原野菜や、ぶどう・りんごが値上がり」「秋刀魚が高騰」など、日本の秋の魅力を楽しめる要素が減り、切ない。
“雨季”と“乾季”というような、ニ季節になってしまったら、どうなるのであろうか。
この現象と似たことが、調査の現場でも、起こっている。
- コスト的に2グループしかできないので、違う属性を1つのグループに入れてもらえますか。
- サンプル数が少ないのですが、CLTをお願いできますか。
など、グループ数の設定を狭めた定性調査や、n数が30に満たない定量調査の依頼を受ける時がある。
これらは、時間的余裕や調査予算が逼迫しているのが、要因である。
もちろん、事情が理解できるので、「限られた条件の中で、ベストなグループ設定やパネルの分け方」を、精一杯考える。しかし、本来の姿ではない実査を進行すると、きちんとしたアウトプットが出ないことが多い。
明らかに、有意義な結果が出せないと判断した場合は、
- 異なる属性が同じグループに入ると、ダイナミクスが生じにくい
(もしくは、違う属性の意見に左右されたり、その場で学習したことを発言したり、することがある) - 量を見たいのに、参考値しかわからないならないのは勿体ない
ということも、説明するようにしている。
理由を話せば、「より精度の高い調査のため」「失敗を未然に防ぐため」と、納得していただける。
これからも、「“春”や“秋”がなく、急に寒くなったり暑くなったりするのは、危険」「“雨季”と“乾季”だけになると、実査の楽しさが半減してしまう」ということは、伝えていこうと思う。
投稿者プロフィール
最新の投稿
マーケティング・対比思考2015.01.07第47回"アイコンタクト"と"アクティブインタビュー"
マーケティング・対比思考2014.12.03第46回"リフレーミング"と"集合智"
マーケティング・対比思考2014.10.29第45回"質的リサーチ"と"ワークショップ"
マーケティング・対比思考2014.09.30第44回"嘘"と"真実"