株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
定性調査部 シニア・ディレクター インタビュアー 吉田 聖美
先日(といっても大分時間が経ってしまったが)社内モデレーターの研修として「レトルト食品に関する調査」を自主企画として行った。
このテーマ、私がモデレーションをするわけではないにも関わらず、私の一存で決めてしまった。10年強前、私が新人だった頃に自主企画として実施したお題であったからである。
実査は無事終了し、レポートもモデレーションを実施したモデレーターの手により書きあがった。このお題を設定した際、せっかくなので10年前との比較を行い、そちらもレポートに活かせないものか、と想定したので、あとはその比較パートを残すばかりである。
(比較のため、今回対象者の基本属性は10年前の対象者と同じ「小中学生の子あり主婦」と「子供独立シニア主婦」という属性にしている)
比較をするため、10年前(2003年実査なので正確には11年前)のドキュメントを引っ張り出してみた。ドキュメントの書式が違っているなど、体裁上も歴史を感じるのだが、中身を読んでいても色々と面白い言葉があった。
実は、ドキュメントを読み返す前の段階で、今回の実査結果11年前の実査結果比較しようと思い、11年前のサマリーを引っ張り出してみたのだが、そこではあまり面白さに気付かなかった。むしろ、あまり結果に変化がなく、食に関する意識は普遍的なものなのではないかと思ったくらいである。
定性調査は基本的に読み取る人やそのときにどんな情報が必要とされるかによって着目ポイントが異なる。おそらく、11年後に私が読んで面白いと思った箇所は、当時は当たり前の発言であり、着目するまでもなかったのでサマリーには記載されていなかったのではないかと推察する。
たとえば、11年前の小中学生を持つ主婦の発言。

 「魚だと忙しいときとか遅く帰ってきても焼くだけでできるのですごい気が楽」
 「鍋は昆布だけ入れておけば材料の味も出ることだし、ちゃんこ鍋のつゆとかは使わない」
 「めんつゆなんてみりんとしょうゆと鰹節で煮て薄めちゃえばできる」

確実に今の方が魚離れが進み、加工食品の依存度は増していると思われます・・・
他にもこんな発言もありました。

 「コンビニは子供のお菓子を買う場所であって買い物かごを使うことはない」

確かに、この10年間でコンビニの位置づけって大きく変わりましたよね・・・
コンビニの位置づけが変わったということは、主婦の購買パターンも変わっているはずです。
他にも今や高価な食材の1つであるうなぎが「忙しいときはうなぎを買ってきてご飯だけ炊く」と簡便食として登場していたり。
一方で変わらないところもあり、消費に困る、または味付けのバリエーションが欲しい食材として挙がっていたのは「豆腐」「もやし」「大根」などでした。一主婦として、共感できるところです。
レトルト食品に対する意識でも、現在と違いを感じる発言がいくつかありました。こういう試みがあると、10年以上同じ調査手法に携わってきたことを誇らしく感じるとともに、今現在取り組んでいる仕事が何年かのちに参考にされる可能性もあることを感じ、背筋が伸びる思いです。
今年行った自主企画のレポートと、11年前との比較、年内にはまとめてご報告できる形を目指しています。