株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
定性調査部 シニア・ディレクター インタビュアー 吉田 聖美
前回お勧めの書籍をご紹介した流れで、今回も書籍の話。
人生は見切り発車でうまくいく(奥田浩美著 2014年7月発刊)』という本を買ってみました。
購入理由は「見切り発車」という言葉に惹かれたから。
アマゾンで購入したので、「優しく背中を押される」といったコメントは少し参考にしましたが、立ち読みは無しで手に入れ、読みはじめました。
今回は本の内容と言うよりもこの「見切り発車でうまくいく」という言葉について考えていきたいと思います。※ちなみに本の内容的には私がモデレーターとして独立を考えたとしたら指南書としたいな、という感じでした。
「見切り発車」という言葉、私はとても好きな言葉です。「見切り発車」というよりも「完璧を追求しない」といった方が良いかもしれません。
「完璧を目指さないというと本気度が足りない」、とネガティブな印象を受ける方がいるかもしれませんが、完璧を追求するために時間を費やしすぎないことは大切だと思っています。
極論すると完璧を追求したくなる理由は自分の自己満足であったり、安心したいという気持ちからのような気がしているので。
では、「80%の出来のものが手元に届いているのか」、と不安を持たれるクライアント様もいらっしゃるかもしれないので断っておくと、弊社の場合、私が作成したものはほぼ必ず他の社員の目を通る仕組みになっています。
この原稿もそうですし、GIのインタビューフローもレポートもそうです。
そう考えると、私の仕事時の姿勢は「100%にしてから手放す」のではなく、「80%で手放して残りは周りと協力して高めていく」ということなのかもしれません。
実はこれ、商品にも共通する考えなのではないかと思っています。定性調査の段階では「良いところ、可能性を見つける」「足りないものを見つける」ことを心がけてはいますが、足りないものがあるから次に進めないとは考えていません。
正直言って調査の段階で100%になる完璧な商品などないと思っていますし、むしろそういうものがあった場合は疑ってかかるべきと思っているくらいです。なので、あまり評価が良くなかった一部のポイントに引っかかって、上市や先に進むことを躊躇されすぎるともったいないな、とも思ってしまうのです。
もちろん、評価が良くなかったポイントが致命的なものであれば見直しは必要ですが、意外と「そこは微調整で良いのに」「上市にあたっての注意事項と捉えておけば良いのに」と思うところで慎重に出られてしまうと、そこに時間やお金をかけることの必要性に疑問符を感じてしまったりします。
とは言っても、会社によってはそこを改良しなければ先に進めない仕組みになっている、というところもあるかと思いますが、調査の結果はあくまでも「今」の段階での評価であり、合格ラインのものをより高めている間に情勢が変わってしまったら、そもそも合格ラインから滑り落ちることもあり得ます。
時間を天秤にかけたときに、より完璧を目指す必要があるのか、それとも動いてしまってその次のフェイズに進んでから調整していくべきことなのか、次に進めるだけのベースは整っているのか、立ち止まるべきなのか…など、そのバランス、判断が実は最も難しいことだと思います。
そのお手伝い、ヒントとなる解釈までご提案できれば、と考えています。