株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
企画部 アシスタント・ディレクター 梶山賢一
現在サッカーワールドカップが開催中だ。4年に1度の祭典を楽しんでいる方も多いだろう。
日本代表は初戦コートジボワールに逆転負けを喫し、必勝の思いでギリシャ戦を迎えた。この原稿を書いている6月23日の時点では決勝トーナメントに行けるかかなり微妙な情勢だが、今回は、日本中が固唾を飲んで見守った6月20日の日本×ギリシャ戦についてツイッター上の声を分析してみた。(文中敬称略)

■分析対象:「#ワールドカップ」という文字列を含むツイッター。
       ただし今回は公式および非公式のリツイートは分析対象から除外した。
■対象期間:2014/6/20 5:00~9:30 (試合は日本時間午前7時キックオフ)
■対象件数:23,147件
■分析ソフト:プラスアルファコンサルティング『見える化エンジン』

≪考察インデックス≫
 1.試合内容に沿って、リアルタイムでツイートされており、イベントを共有する楽しさが浸透している
 2.試合直後には不満も見られたが、次の試合に向けて気持ちを切り替えてもいる
 3.選手の中では香川への言及が最も多い
 4.大迫の活躍が印象に残っている

●試合開始直前からツイート数が急激に増加。試合終了直後にピークを迎える

図1は、試合当日の午前5時から午前9時半までの10分ごとのツイート件数推移である。
図1 2014/6/20 5:00~9:30ツイート件数推移(10分ごと)
W杯日本代表戦_ツィート時系列グラフ.jpg
試合開始は午前7時だったが、それ以前でも各時点で100件前後のツイートがあった。原文を見てみると、「ルーニー」「スアレス」などイングランド対ウルグアイ戦のつぶやきが多くを占めていた。朝早くから見ていたのだろう。サッカーファンの熱心さに驚くばかりだ。
ツイート件数は午前7時前から急激に増加し、試合終了の午前9時前にピークを迎え、その後急減した。ツイートのリアルタイム性が改めて感じられる。
●試合内容に沿って気持ちが変化。終了後は冷静に次を見据えている

図2は、ツイートをポジとネガに分類したときの時系列推移である。ここでは、
「良い」「応援する」「盛り上がる」「惜しい」「すごい」などの言葉をポジティブ、
「負ける」「駄目だ」「悪い」「悔しい」「残念だ」「悲しい」などの言葉をネガティブ
と定義した。
図2 ポジネガ件数推移
W杯日本代表戦_ツィート時系列グラフ_ポジネガ.jpg
  
全体的にポジティブ表現がネガティブ表現を上回っていることがわかる。また、局所的なピークの(1)~(4)の生声をいくつか見てみると、試合の流れに沿って感情が揺れ動く様子が見て取れる。
(1)大迫の惜しいシュート
 「惜しいよお…大迫さんの動きかなりいい\(^o^)/」
 「大迫ー!惜しかった!」
 「おしい!いいシュートだった」
 「大久保うまいっ!!」
 「本田圭佑いいよ!いいよ!」
(2)香川や川島などの好プレー
 「いいぞいいぞ。かがわさん!」
 「今日の香川はいいな!」
 「かわしまぁいいねー」
 「おしいっ!!!!がんばれぇ」
 「うわぁぁぁこれも惜しいなぁ!」
(3)スコアレスドローに終わってガッカリ
 「試合終了ー 0ー0か。。スッキリしねえなあ。。」
 「日本のワールドカップ史上最低最悪の試合」
 「朝からがっつりワールドカップ見てしまたー!引き分けかぁー悔しいねぇ」 
 「終わった。悲しいのぉ」
 「だめだー」
 「情けない」
 「明日からの人生が暗い」
(4)気持ちを切り替え次の試合を見据える
 「ずっと応援してましたちょっと悔しいです。まだあります!!!頑張ってください!#」
 「引き分け、お疲れ様でした。次の相手は、コロンビア。めちゃくちゃ強い相手だけど、
   ワールドカップは何が起こるか分からないから面白いっ??全力で応援しますっ」
 「今日一番良かったのは、やっぱり好セーブした川島ですかね」
 「ワールドカップ出場でさえ夢だった日本代表が当然のように本戦行けてること自体すごいことですよ 」
 「ワールドカップに出場するだけでもすごいと思うの」
 「結果はどうであれ、とにかく勝ち点1ゲット!ポジティブ、ポジティブに!最低でもワールドカップ
   日本代表の試合をもう1試合応援出来るで!」
 「やっぱワールドカップ楽しいな」
おもしろいのは、試合直後はネガが優勢だったものの、しばらくするとポジに逆転していることだ。「試合に勝てなくて悔しいけど、次があるさ!」と、気持ちを切り替えようとしているがわかる。
●香川への言及が最も多いが、ポジティブな表現では大迫がトップ

図3は選手ごとの言及件数のグラフ、図4は選手ごとのポジネガ表現別のグラフである。
図3 選手ごとの言及件数
W杯日本代表戦_選手別.jpg
図4 ポジネガ表現別件数
W杯日本代表戦_選手別ポジネガ.jpg
図3を見ると、言及数が一番多かったのが香川で、以下本田、大久保、大迫と続く。
一方、図4のポジネガ表現別件数を見ると、全体件数では4位であった大迫がポジティブ表現の1位になっている。大迫の活躍が印象に残ったようだ。
●大迫の活躍がツイートされている。本田には若干の不満も

図5は、言及のあった日本人選手上位10名がどういう語られ方をされていたのかを分析したものである。ここでは、「応援」「賞賛」「不満」の3つに分類される書き込みがどれくらいあったのかを調べてみた。
図5 選手ごとの話題内容
W杯日本代表戦_選手別レーダーチャート.jpg
「応援」「賞賛」「不満」のいずれにも当てはまらない書き込みも当然あるが、この3つに限って見てみると、「賞賛」が多いのは大迫、大久保、内田、本田であり、「応援」が多いのは香川、本田である。「不満」は件数としては少ないが、相対的に本田が多くなっている。
●まとめ

今回の分析からは、試合内容にリンクしながらリアルタイムでツイートされている様子が見られ、「イベントを皆で共有する」ためにツイッターが利用されていることが改めて浮き彫りになったように思われる。
また、ツイート内容からは、試合は残念な結果に終わったもののすぐに前向きに切り替えようとする気持ちの変化もうかがえた。次はいよいよコロンビア戦だが、この声が選手の皆さんの力になれば、あるいは勝機が見えてくるかもしれない。
【追記】
 コロンビア戦も厳しい結果になりましたね。なかなか難しいものです・・・。