株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー

企画部 大阪事務所 シニアリサーチャー 上田 牧人

◆7分類クラスターの作成


この調査は、すでに第一次レポートがリリースされ各所への案内も始まっているが、並行していくつかの追加分析アプローチも進めている。そのなかから生活意識クラスターについての結果を簡単に紹介したい。


「今後やりたい趣味や楽しみ」「普段の生活意識・考え方」「自己イメージ」「健康のために利用している商品・サービス」の4つの設問から、試行錯誤で変数を出し入れして、次の6つの因子を抽出した。
   アクティブ因子/マスコミ・クチコミ因子/おしゃれ・センス因子/社会への関心因子
   /穏やか人格因子/健康食利用因子
ここから以下の7つのクラスターが形成された。


シニアクラスター一覧.gif

(注1)健康には生活習慣系や運動系もあるが、結果的に単純構造が得られなかったので、今回は食の健康に絞った。
    ちなみに健康志向派を広く薄く集めると23~25%程度になる
(注2)「スポーツ」や「ハイキング」などのアウトドアレジャー因子もありそうだったが、まとまりきらなかった。



◆シニアは「イノベーター」が少なく、「後期追随型」の人達が多い。


クラスター分析の結果で「アクティブ・シニア」は5.5%と最も小さいクラスターになった。広い領域でイノベーターやアーリーアダプターに相当する部分である。


各領域にアクティブな人達もおり、「ファッション・アクティブ」「社会参加アクティブ」「アウトドア・アクティブ」などが点在するが、寄せ集めても11%にしかならなかった。シニア層のなかでインフルエンサーを捜すのは、なかなか大変なことだと感じられる。


最も大きいのは、明確な方向性を持たない「未分化シニア」である。4割以上がここに分類された。


買い物行動との関連を見ると、「消費低関心層」や「購買堅実層」に近い性向を持つ。
あとでも触れるが<高齢者予備軍>に多いタイプで、加齢とともに一部枝分かれし、一部「ご隠居さんシニア」に移っていくものの、そのままとどまる人も多い。


従来の富裕層マーケティング、アイチエイジング、健康関連ビジネスなどは、限定的なターゲットに対し一定の成果を上げてはきたが、シニアのボリュームゾーンにはなかなか届いていないとみられる。
今後必要なのは、取り残された平均的シニア層のニーズを掘り起こすことではないかと感じられた。


生活意識クラスターと買い物行動クラスター
シニアクラスターコレポン.gif
※コレスポンデンス分析


◆シニアの先行指標を見直す必要性があるのか


下図は対象属性ごとにクラスター構成比を見たものである。読み取れることとしては、
「アクティブ・シニア」「プラチナ・シニア」は<余裕あり/満足>層で率が高く、 とりわけ「プラチナ・シニア」は<女性/プレ団塊(67~70才)>世代で多くなっている。


「日常派シニア」が多いのは<男性/プレ団塊(67~70才)>世代、
 「社会派シニア」が多いのは<男性/団塊(63~66才)>と<男性/プレ団塊(67~70才)>、
 「食の健康シニア」が多いのは<女性/団塊(63~66才)>と<女性/ポスト団塊(55~62才)>である。
「ご隠居さんシニア」が多いのは<後期高齢者(75才~)>、
 「未分化シニア」は逆に、若い<ポスト団塊(55~62才)>世代、とりわけ<男性>で多くなっている。


こうして見ると、大きな年代区分よりは団塊とその前後の<世代>で区切った方が、違いが明確になる。これまで私たちはプレ団塊世代(67~70才) を先行指標と見てビジネスモデルを組み立ててきたように思うが、本格的に登場してきた団塊世代は少し違った価値観や生活スタイルを持っているようだ。


今後シニアのスタンダードがどう固まっていくか、目が離せない。
 

シニア層のクラスター.gif