株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
企画部 ディレクター 牛堂雅文


 無投票の理由としては、「投票したい候補者や政党がなかった」
 「誰が当選しても政治や暮らしは変わらない」が上位にあがり、
 政治への不信感や諦めの気持ちが浮き彫りとなった。



2012年12月16日に投開票が実施された【衆議院総選挙】に関して、59.32%と戦後最低の投票率となったことを受け、当日の記憶が新鮮な12月19日~21日に、無投票の理由を明らかにする自主調査を実施いたしました。
(なお、白紙投票者も対象に含めましたが、回収数が少なかったこともあり、その視点での分析は掲載しておりません。)



●調査設計


本調査の調査地域は、地域差を明確にできるよう、全国(9ブロック+東京都)に設定し、ブロックごとに20歳以上の人口構成で割り付けを実施しています。


 ・調査手法:弊社モニターパネルに対するWeb調査
 ・調査期間:2012年12月19日(水)~同21日(金) 
 ・調査対象条件:20歳以上男女、衆議院総選挙無投票者及び、白紙投票者
 ・調査設計/調査地域: 標本数1000s (国勢調査での20歳以上の人口分布に基づき、以下のブロックで割り付けを実施) 

  割り付け.gif
 ※年代別での今回の投票率データは公表されておらず、「年代割り付」は結果をゆがめる懸念があったため意図的に実施していない。



●無投票理由


核心の質問となる、無投票理由(上位3位合計)では、「投票したい候補者や政党がなかった」が52.3%で最多となり、次いで「誰が当選しても政治や暮らしは変わらない」が43.8%と、この二つが2大要因となっています。


それ以降でも「投票しても当選者は変わらないと思った」が28.4%と、政治に対する不信感・諦め感と考えられる意見が上位を占めているのが特徴的です。


無投票理由上位3位計.gif

無投票理由上位3位計.gif

(※なお、単純な複数回答ではなく「順位づけ」とした背景には、無投票にも「忙しい」といった直接的な問題だけではなく他の要因が複合的に存在すると予想されたことと、順位をつけることで強弱をつけ、回答をより熟慮してもらう意図があります。)



●地域別


上記の無投票理由を地域別にみると、被災地を含む東北では、「誰が当選しても政治や暮らしは変わらない」が6割と突出しており、この2年弱の復興政策、政争等に対する不満・不信が背景にあるものと推測されます。
また、東京では「投票したい候補者や政党がなかった」が最大となっており、不信感はあったとしても、まだ改善の余地が大きいものと思われます。

無投票理由地域別.gif
 

●年代別


特に年代差が大きく出たのは、「投票したい候補者や政党がなかった」 「投票に行かないのも意思表示だと思った」「現在の選挙制度に疑問・不満がある」で、どの項目も高齢で高くなっています。高齢になるほど選挙への関心は高いものの、政治や制度への不満感も強いという傾向が見られます。


逆に若年層は、 「投票に行くのがめんどうだったから」 「誰が当選しても政治や暮らしは変わらない」「政治や選挙に関心がない」の数字が高齢者と比べ高く、そもそもの選挙や政治参加に対するモチベーションの低さが見られます。


また、「投票に行く時間がなかったから」も若年層で高く、関心の薄さもあると思われますが、多忙であるという側面も見られます。


無投票理由年代別.gif

●今後の改善点


今後の投票率改善に向けてのヒントを探るため、改善点について聴取を行いました。
また、この設問では、特に前回の衆議院総選挙で投票を行ったにも関わらず今回無投票となった、「前回投票者」に着目しました。


※下記は前回の投票行動

 

 前回の投票行動.gif
今後の選挙に関する改善点.gif

ここでも、前回投票者「候補者・政党の政策内容」を改善事項とする傾向が見られており、この点が根本的な課題であることが再確認されます。


また、前回無投票者では「何が改善されても選挙に行きたくない」者も19%と一定数存在していますが、全体としては11%と低く、投票方法を初めとした改善の余地はあり、投票率改善の見込みがないわけではないことも把握できました。



●最後に


今回はクライアント企業様の製品開発等には直接関係のない「無投票行動」に焦点を当てておりますが、広い意味での消費者理解として何かのご参考になれば幸いです。


この記事ではスペースの都合もあり、一部を抜粋してお伝えしました。
より詳細のデータは弊社Webサイトの「自主企画調査」ページに掲載しておりますので、ご関心をお持ちになっていただけましたら、ぜひご覧になってください。
http://www.jma-net.com/reports