株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー

定性調査部 ディレクター インタビュアー 吉田 聖美

この間、メルマガの原稿を書いた気がしますが、もう今回の原稿の締め切り。
毎回締め切り間際に行動していて、子どもの頃の夏休みの宿題を思い出します・・・。(いや、夏休みの宿題の方が早めに手を付けていたかも)


原稿の内容が少しずつ、今年の終わりを意識したものになりつつありますが、振り返ってみると、今年は出張が多い年でした(北は仙台から南は沖縄まで・・・出張の機会を与えていただいた皆様、ありがとうございました)。


プライベートでの旅行も何度かありました。
出張や旅行の際には毎回お土産を買って帰るのですが、私はこのお土産選びが大好きです。
長期の旅行でも、1日目からお土産を考えてしまいますし、土産物屋さんでは長い時間を過ごしてしまいます。


同じ部署に甘いものが嫌いな人がいるから、会社用のお土産はしょっぱいものにしよう、とか、ちょっと変わったものの方が話題性があって喜ばれるかな、とか。前回はこれにしたから、今度はこれにしよう、とか。


買っていく相手の好みや反応に思いをはせながら、商品を選ぶのは楽しいひとときです。
相手に渡すものなので、お手頃価格だが安っぽく見えないことも重視ポイントとなりますし、お土産の場合、かさばらず持ち帰りやすい、個包装になっていて皆でわけやすい、といった機能性も重要。


長い旅行であればあるほど、今、この店で買うべきかといった購入のタイミングも重要になってきます。



最近は地方のアンテナショップが東京にあったり、東京のスーパーでも地方のちょっとローカルな調味料や食品を売っていたりもするので、お土産らしいものを選ぶことが難しくなってきている気がして、その点も気を使ったりします。
ええ、自己満足です(笑い)。


プレゼントも同様。
喜んでもらえるか、その人との関係性に即したものになっているか(重すぎないか、くだけすぎないか)、予算には合っているか、消え物がいいのか、残るものがいいのか・・・
子ども宛のプレゼントになると、喜んでくれるものと親が与えたいものが食い違っていたりもするので、また難しいです。
・・・サンタさんも大変です。


土産物やプレゼント選びから感じるのは
「思い浮かべた相手に喜んでもらえるものを提案する過程は、本来は嬉しい行動のはず」


まだよくわからない相手でも、これから仲良くなりたい、これからも付き合っていきたいと思う相手であれば、より喜ばせたくなるでしょう。反応を予測しつつ、いろいろな提案をしたくなると思います。
商品を作るとき、考えていくときも同じ気持ちが必要なのではないかと思っています。



定性調査の世界では一時期「ペルソナ」が流行りました。(定着した、といえるところもあるかと思いますが、一時期のブーム的な流れは落ち着いたという意味で過去形にしています)


実際にペルソナを作る作業は、期間、費用、労力、いずれも膨大なこともあり、なかなか活用できなかった、採用できなかったところも多いかと思いますが、ペルソナの考え方は、手法をそのまま採用しなくても非常に重要な考え方だと思うのです。


ターゲットとしてどういう人が想定されるのか。
ターゲットはそのカテゴリーに何を欲している人なのか。
どんな価値を提案すれば、どんな商品を提案すれば、喜んでくれるのか。
それをどんな言葉で提案すれば、実際に使用する前に期待してくれるのか。


商品と出会ったとき、商品を買うとき、商品を使うとき、どういった反応をして欲しいのか、どういった反応をしそうなのか、相手を考えながらの試行錯誤は目的がはっきりしており、試行錯誤ではあっても迷走はしないはず。
相手が直接的に「これが欲しい」と言ってくれないことも多いので、労力は使いますが、いろいろ考えること自体は実は楽しく、無くすことができない過程だと思うのです。



ペルソナを作ることが重要視されていた一番の要因は、ペルソナを作ることで、商品を作る側、提案する側の「支柱」が出来たことだと思います。
ペルソナという形をとらなくても、この「支柱」を忘れてはいけない気がしますし、それはそれぞれの中にあるのではないでしょうか。


先日、あるご縁で、開発担当者の方がはっきりとした使命感を持って商品に望んでいるジョブに関わることが出来ましたが、ジョブのメンバーに加えていただくことが出来たことを感謝したくなるくらい、楽しいジョブでした。



開発者には開発者の「支柱」があり、ブランド担当者にはブランド担当者の「支柱」があると思います。
モデレーターの「支柱」はクライアントが知りたいことの答えを出すことであり、その周りにある柱が、対象者に素直な反応をしてもらえるようにすることだと考えています。


実査の現場では、クライアントがプレゼントの相手であり、対象者の反応がプレゼント
時には、相手に喜ばれるものではなく、本当に必要なものをプレゼントすることも必要になりますので、良い評価を届けることが必ずしもプレゼントにはなりません。



一方で、クライアントの意向を根底で意識しつつも、現場で呈示している商品をプレゼントしたい相手は対象者であり、対象者の反応を意識していくことも欠かせない。
時にプレゼントを届けること自体を拒否されそうなこともありますが、それでも何だったら喜んでもらえるのかを探っていかなければいけません。


この、クライアントと対象者といった意識すべき相手が複数いる状況をコントロールしていくことが求められる点が、モデレーターが司会者でなく、モデレーター(仲介者)と呼ばれる所以なのでしょうね。


残り少ない2012年、クライアントと対象者、双方が欲しがっているものを意識しつつ、ステキなプレゼントを届けられる存在でありたいと思っています。