代表取締役 澁野 一彦

■「敬老の日」に合わせてシニアのデータを更新。~高齢者の6人に1人が・・・


総務省は「敬老の日」に合わせて9月15日時点での65歳以上の高齢者の推計人口が3074万人で、過去最多を更新したと発表した。(日経記事より)


団塊の世代で最も人口の多い1947年生まれが65歳に達したことで前年比100万人強の大幅増となった。逆に0~64歳の(若年)人口は前年に比べ128万人減り、少子高齢化が一層進んでいる。


日本の総人口(1億2753万人)に占める高齢者の割合も24.1%(前年比0.8ポイント増)と過去最高を更新中。高齢者の人口と総人口に占める割合は比較可能なデータのある50年以降増加を続けている。 


75歳以上の人口は1517万人で、初めて1500万人を突破。85歳以上も430万人、100歳以上の高齢者も5万人を越えた。


また高齢者の単身世帯の割合も増えている。2010年の国勢調査では65歳以上の高齢者の単身者(世帯)数は高齢者全体の16.4%に達し、95年の国勢調査での12.1%から4.3ポイント増加した。


しかし一方で高齢者人口の拡大とともに、被介護者数も年々増加しており、厚生労働省の推計では、2012年の全国の要支援・要介護認定者数は、500万人を超え人口の17%(高齢者の6人に1人)を占める
年代別の要介護認定者率をみると、65~74歳の前期高齢者では5%程度であるが、75~79歳で15%に増加し、80歳以上では35%を超える。


要支援・要介護認定者の変化.gif

また厚生労働省は先月(8月)、全国の認知症の高齢者が2012年で300万人を突破したと発表。65歳以上の高齢者で10人に1人(9.9%)が認知症を羅患している計算になる。
2020年には410万人(11.3%)、2025年には470万人(12.8%)に増加すると推計しており、今後益々有病比率が上がる。(認知症の有病率は「日常生活自立度Ⅱ以上」で算定)



■高齢者の約半数近くが健康不安を自覚、実際日常生活に不具合いがある人は5分の1程度


~厚生労働省の平成22年「国民生活基礎調査」から~
高齢者の半数近く(49.6%)が健康状態について何らかの自覚症状を訴えており、更に「現在、健康上の問題で日常生活動作、外出、仕事、家事、学業、運動等に影響のある者(入院者を除く)」という日常生活に影響がある人は5分の1程度(20.9.%)存在する。


この日常生活への影響を内容別にみると、高齢者では日常生活動作(起床、衣服着脱、食事、入浴など)が高齢者全体の10%、外出(時間や作業量などが制限される)が同10%と高くなっており、次いで仕事・家事・学業(時間や作業量などが制限される)が同8%、運動(スポーツを含む)が同6%となっている。


男女別では、男性は日常生活動作(起床、衣服着脱、食事、入浴など)、女性は外出(時間や作業量などが制限される)が最も高くなっている


5月に実施した弊社自主企画「シニアライフスタイル調査」(60歳以上男女1000名)では、高齢者の「日常生活で不都合を感じる点」を聞いているが、「生活上何らかの不便がある」と回答した人は約半数


不都合を感じる点としては、
・「屋外生活における不便」⇒病院への便が悪い、買い物に行くのが遠くて不便、自転車に乗れなくなった…
・「屋内生活における不便」⇒階段の上り下りがきつい、階段を下りる時膝が痛い…
・「介護の不安」⇒介護に金がかかる、介護保険がどうなるか不安、介護に時間がとられる…
・「将来不安」⇒年老いることが不安、年金が少なく生活が不安、将来1人暮らしになることが不安
 
などが上がっている。
年をとることによって生じる「身体的な衰え」や、「経済不安」「心理的不安」などかベースになって数々の不都合を感じている。


しかし逆に「現在の生活に特に不都合を感じていない」と回答した"元気な高齢者"も半数近く存在している。



■元気な高齢者が支える「高高支援」の試み


「4人に1人」という高齢者社会を生き抜くため、肥大化する高齢者層を背負えない下の世代に代わって元気な高齢者が同じ高齢者を支えるという「高高支援」が広がっている。(朝日新聞の記事から抜粋)。


「お年寄りを抱きかかえて介護するのは難しくても、年相応にできる仕事はある」。
介護施設では、「話し相手」や「送迎」「病院の付き添い」など比較的力仕事ではないサービスの現場で高齢者が活躍し始めている。若い職員に体力では勝てないが、昔の出来事や懐かしい演歌といったお年寄りの話題にはついていける。また足腰の衰えや体の痛みも年代が近いことでよく理解できる。


茨城県日立市のNPO法人では、地域の単身老人世帯、老老世帯向けの配食サービスや家の掃除・洗濯、病院の送迎などの生活支援サービスの担い手として 同じ地元に暮らす団塊世代を採用。一回り先輩の70代後半から90代の利用者を支援する。


筆者が現在携わっている 福祉サービス施設を第三者が評価し事業・サービス情報を開示する「東京都福祉サービス第三者評価」の評価員もその多くが60歳を過ぎたシニアの人達で、彼らの会社組織で蓄積された知見を施設の組織マネジメントなどの事業評価に生かしている。


今の都会生活の中では高齢者の役割は失われつつあるように見えるが、自分の生活地域に目を向ければ、介護補助、単身高齢者の見守り、防災、また子育て支援など人手不足の分野はたくさんある。
元気なシニアは今、こうした分野の担い手として力を発揮することを期待されている。


続く