株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
企画部 ディレクター 牛堂雅文

「日本のエネルギー不安は解消されたか」「そう思わない」が95.5%。
 震災後1年以上が経った現在、エネルギー関連をはじめ、今なお解消
 されない不安や、節約/消費に対する意識が明らかとなった。

2011年3月11日に発生いたしました「東日本大震災」から1年以上が経過しました。現時点での生活意識を把握するため、三井住友建設株式会社様のご協力の下、自主企画調査として【震災一年後生活意識調査】を実施致しました。


本調査結果の公表により、消費者心理の理解を深めると共に、各企業・団体様の施策立案等のお役に立てますと幸いです。


◆調査設計



本調査の調査地域は、昨年実施した「震災後生活意識調査」と比較可能なように「関東」と「関西」に設定し、性年代等も前回調査に準拠しております。


 ・調査手法:弊社モニターパネルに対するWeb調査
 ・調査期間:2012年5月23日(水)~同24日(木) 
  (前回比較調査:2011年5月23日~24日実施 「第3回震災後生活意識調査」)
 ・調査対象条件:15~59才一般男女
 ・調査設計/調査地域: 標本数800s (関東400s/関西400s) 


  震災一年後調査_調査設計.gif

◆日本のエネルギー不安解消について



「日本のエネルギー不安が解消されたと思いますか」という問いに対して、全体で「そう思わない」が95.5%にのぼり、震災後1年以上が経過した現時点でもエネルギー不安は大きな問題として位置づけられていることが分かります。


 日本のエネルギー不安の解消について.png

◆エネルギーにかかわる考え方



エネルギーに対する考え方について、さらに詳細に把握した設問(三件法)を見ると、「日本は地熱発電に力を入れるべきだ」の肯定回答が最も多く、54.5%となっています。


他にも発電に関する意見を拾うと「原発について真剣に考えるようになった」が49.5%、「電気代が高くても、自然エネルギーにより発電するべきだ」41.3%、「太陽光発電を検討したい」36.8%などと肯定回答が3割以上と多く、自然エネルギーへの期待感の強さが窺われます。




エネルギーに対する考え方.png


一方、家庭・個人レベルのものでは、「家庭での電力使用量が気になる」53.8%、「照明が暗くても大丈夫だと気がついた」41.3%と、節電に対する意識が定着している様子が見られます。
実際に弊社のオフィスでも蛍光灯を間引きし、震災前の約半分程度の照明となっていますが、既に暗いといった意識はなく、「以前はなぜそこまで明るくする必要があったのか?」と感じる位です。


節電意識が定着する一方で、「スマートハウス」「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」といった、住宅全体でエネルギーを管理するシステムに関しては、肯定意見が1割程度と相対的に低い意向に留まりました。本調査では特に説明文などを呈示しておらず、現状ではまだこの概念の理解・浸透が不十分であり、導入検討以前に評価そのものが難しい、といった要因もありそうです。


また、紙面の都合もありデータ掲載できませんでしたが、男女差も顕著であり、総じて女性で不安意識や、節電意識が高くなっています。




◆震災後の購入・購入検討状況(エコグッズ等)



では、実際の消費行動や検討状況など、より具体的なアクションについてどうだったのか確認をしたのが、以下のデータとなります。


 震災後の購入・購入検討状況.png

「購入したもの」で最多だったのが「LED電球」の20.1%で、5人に1人が購入したことになります。およそ1年間で浸透したと考えると、価格帯は異なるものの、かつて3%程度の保有率でも市場の注目の的となった「iPodなどデジタルオーディオプレイヤー」と比較しても、驚異的といえます。
他にも「繰り返し使える電池」が16.3%、「涼感グッズ」15.1%など、身近・低価格な節電グッズが購入される傾向が見られています。


一方で、「スマートハウス」は「購入した」は0%、「購入を検討している」で3.0%と、先ほど以上に意向が低くなっています。


また、「シェアハウス」は「特に興味がない」が8割を超えるなど、他人との共有(シェア)をしてまでの節約には抵抗感が持たれているようです。実際にはシェアハウスは新規物件の情報も多く、ここしばらく増加しているようですが、まだ一部のものと見るべきでしょう。


購入・購入検討に至っていない、「耐震・免震構造の住宅」といった「関心を持った」レベルにとどまっているものも多く、実際の購買までにはいささか距離があるものの、今後の需要に結びつく可能性はあるものと思われます。



◆最後に



この記事ではスペースの都合もあり、一部を抜粋してお伝えしています。ただ、一部であってもそこから見え隠れするものは多く、現状の生活者意識を把握し、みなさまの企業活動に役立てて頂けますと幸いです。


また、より詳細のデータは追って弊社Webサイトの「自主企画調査」ページに掲載予定です。さらに別途集計表等も含めたCD-Rでのデータ販売によるご提供を検討しております。あわせてご検討頂けますと幸いです。


エネルギーに対する不安だけではなく、今後、増税、電気料金の値上げなど生活を直撃する不安要素が見え始めており、弊社では本調査を再度実施し、時系列変動も追いたいと考えております。


それらの変動は消費にマイナスに働く部分が多いとは思われますが、節電グッズのように新たな消費も生まれています。どういったチャンス/リスクがあるのかご検討頂く材料としてご活用頂ければと思います。