株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
定性調査部 ディレクター インタビュアー 吉田 聖美

長らく改装中だった、近所のスーパーが新装オープンした。テレビで陳列や取扱商品の工夫が紹介されていたこともあり、店頭観察に行ってみた。

天井までの仕切りがないフロアは、壁・床が白基調なこともあり、とても広く見えた。
高齢者をターゲットとして想定した店舗ということもあり、商品棚は一番上の段であってもさほど高さがなく、私の身長でも手が届きやすい。

プライスカードは通常よりも大きな文字サイズで印刷がされている。
考えてみれば、プライスカードで確認をしたいものは、価格だけで他の記載はいらないので、カードの枠を最大限に活用するともう少し文字って大きく出来たのよね、ということを実感。

・・・エスカレーターの速度は、高齢者向けではなく、普通の速度でした(おばあちゃんの原宿、巣鴨のスーパーはエスカレーターの速度が遅いです)。

高齢者、一人暮らしをターゲットとした戦略は、商品の品揃えからも見て取れる。食べきりで持ち帰りの負担も少ない2合サイズのお米が何種類も並んでいたり(食べ比べとかしても楽しそう)、お弁当やお惣菜も一人用の食べきりサイズ。ご飯系とおかず系を自由に組み合わせてお弁当とすることも出来る仕組みになっていた。

これも高齢者を意識してだと思うが、減塩商品を揃えた棚などもあった。
減塩商品棚には、しょうゆ、みそ、塩、などメーカーもカテゴリーも混在した商品が、減塩というテーマの元に並んでおり、減塩に関心が高い人であれば、このコーナーに来ただけで調味料を揃えることが出来る仕組みになっていた。
しょうゆを減塩にするなら、みそも減塩にした方が良いよね、など納得した買物が出来そうだ。

反面、通常のしょうゆを買いに来たが、やっぱり体のことを考えて減塩にしようかな、といった商品選択は成り立ちにくい。
また、この店舗には減塩コーナーがある、と消費者に知らしめる工夫も必要となる。棚の側面と上部には「減塩コーナー」と記載されたボートが付けられていたが、果たしてこのお店を利用している高齢者のどの程度の人が認識しているかは疑問が残るところ。今後の課題かもしれない。

同様の売り場の作り方は、別の階のペット用品コーナーでも行われていた(ネコ飼いなので、ネコの売り場しか見ていませんが・・・)。下部尿路、毛玉吐き、などネコちゃんの悩み別や高齢猫用という括りで、ブランド、メーカー問わずキャットフードが並んでいた。

通常の売り場の場合、キャットフードは形状(ドライ、ウェット)で大きく分かれ、その中でブランドごとに分かれて並べられている。そして、そのブランドの中に「高齢猫用」「毛玉ケア用」などが置かれている。

もちろん、贔屓のブランドがある人は、ブランドごとに並んでいる方が選びやすい。が、ブランドに特にこだわりがなく、自分のネコちゃんに合っているフードを選びたいという人であれば、この並べ方はありがたいのではないだろうか。普段はこっちを買っているが、同じ効果があるならこっちにしようかな、と納得した上での銘柄スイッチもあり得そうだ。

食品売り場に戻って・・・カテゴリーを越えた陳列はアルコールに関しても見られた。
ワインのビンが至るところに並んでいることに気付く。

もちろん、お酒売り場にはずらっと並んでいるのだが、精肉売り場に赤ワイン、鮮魚売り場に白ワイン、パスタ売り場でパスタ麺とパスタソースとワイン、・・・(ワイン好き、というか飲兵衛なのがバレますが)。
これもお魚には白ワインよね~など、納得した上で衝動買いが出来そう。

弁当、惣菜売り場の壁には「お弁当と一緒にどうぞ」の言葉と共にミニサイズのカップ麺が吊り下げ陳列されていた。
小さいサイズのものがずらっと整列している図は可愛い。やっぱり衝動的に欲しくなってしまいそう。

お店側のメッセージ(これと一緒にこれを試して)がわかりやすい売り場は納得した上での衝動買いが生じやすい、ということを改めて感じた。
衝動買いが生じやすい売り場は、気付きがあり、見ていてもワクワクする。
オープンしたてということもあり、今はまだ人でごった返していて、ちょっと敬遠している部分もあるが、落ち着いたらもっと色々観察して、メインスーパーとして利用していこうと思っている。