株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
企画部 ディレクター 牛堂雅文

弊社、というより私個人の話で恐縮ですが、【JMRX勉強会】というマーケティングリサーチャー個人が集まる勉強会を岸川茂氏、及び有志の諸氏とともに主催させて頂いています。

そして、日々の業務、及びJMRX勉強会を開催する中で痛感していますのが、今は私がこの業界に入門して以来の【最大の変革期である】ということです。

【Renovation!】…それは、私も参加させて頂きました、11月22日(火)に新宿ハイアットリージェンシーホテルで開催されたリサーチ業界のイベント「JMRAアニュアルカンファレンス」のテーマとなっていました。

イノベーション、リノベーション、見方は色々ありますが、今日本のマーケティング・リサーチにおいて何が変化しているのでしょうか?
あくまで個人的見解ですが、以下の3点を強く感じています。

 【1】新しい調査手法の登場
 【2】マーケティングリサーチ会社のM&A
 【3】クロスボーダー化

 (※ここではM&A用語の「国境を越える」クロスボーダーから拡張し、境界を越えるという意味で用いています。)


【1】新しい調査手法の登場


JMRX勉強会で二度ご講演頂きました、トランスコスモス:萩原雅之氏のご著書「次世代マーケティングリサーチ」の出版以来特に注目されるようになったものであり、具体的には、MROC、ソーシャルメディア分析、バイオメトリクス調査(脳波計測など)、ゲーミフィケーションなどがあります。

これらは最も見た目に違いを感じられやすい点であり、変化を象徴するものとなっています。同時にリサーチ会社としては全てに対応・投資・検証を行うには知見・リソースが十分あるとは言えず、悩ましいところでもあります。

しかし、一つ上の次元に立ってみると、過去にも似た事例があり、「固定電話が普及したから電話調査が実施されるようになり、Webが普及したのでWebリサーチが増えた」といった、手法の変遷の話でもあります。

ご相談頂くクライアント各社様の課題にその手法がマッチしているかどうか?徐々に事例を増やし、適用範囲を探って行けばよい話とも言えます。

【2】マーケティングリサーチ会社のM&A


次に話題になりやすいのが企業のM&Aのニュースです。元々他の業界や海外では当たり前の話なのですが、我々日本のマーケティングリサーチ業界にも無縁ではなくなったと言えます。近年はこの手のニュースリリースが駆け巡り、何が起こっても不思議ではない様相を呈しています。

勉強会でもしばらくお会いしない方に再会したときに、転職も含め名刺の社名が変わっていることが日常的になっています。

2010年のマクロミル社によるヤフーバリューインサイト社リサーチ事業統合のニュースは、業界地図を塗り替える大きなインパクトがありました。それ以外にもM&A、提携などの多数のニュースリリースを耳にするようになりました。

【3】クロスボーダー化


3点目の「クロスボーダー化」は【1】【2】の原因となっていることでもあり、並列の関係ではないかもしれません。

マーケティング・リサーチ業界も境界線(ボーダー)を越えて、影響を与えあう状態になってきています。そして、「クロスボーダー」というキーワードは「第42回消費者行動研究コンファレンス」の統一論題(消費者行動研究のクロスボーダー)としても取り上げられています。

アカデミックの分野では、異なる分野の研究者の交流がはじまり、我々リサーチ業界ではグローバル化による国境というボーダーの低減や、「餅は餅屋」の発想で他の企業とM&Aや提携を行い補完し合う意味での交流も起こっています。

「新規参入」という視点で見ると、サーベイモンキー社、ジャストシステム社のWebリサーチへの参入など、海外、他業種からの参入というクロスボーダーも起こっています。

(ジャストシステム社の漢字変換「ATOK(エイトック)」の長年のファンとして、まさかの参入を歓迎したものやらどうやら戸惑っていますが。)

変革期の直中で


こういった変革期は、我々プレーヤーにとってリスクでもチャンスでもあります。

一リサーチャーとしてこの変化の時代に生きているということは、あたかも「Windows95/インターネットによる空前のPCブーム」、「IBMによるLotusの買収」、「IE vs Netscape Navigatorのブラウザ戦争」そういった渦中にいるような感覚でもあり、不謹慎なのかもしれませんがワクワクする感覚を持っています。

弊社でもいち早くMROCサービスに着手し、他の手法についても随時研究・検証等を進めています。今まで参加していなかったセミナー・学会にもご参加させて頂くなど、日々新しいことづくめであり、目まぐるしく日々を過ごしています。

私個人としては、「40にして惑わず…」と多少は安泰な人生が待っているかと思えば、フタを開ければなにが起こるか分からない荒野が広がっており、人生は実に面白いものだと感じています。

この荒野を乗り切るためにも、機会を頂けましたら、弊社のトライアルに対して、アドバイス・ご支援・ご指導など頂けますと幸いです。