株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
GI部 ディレクター インタビュアー 梅津 順江(ウメヅ ユキエ)

一衣帯水の隣国で、不動産バブルが起きている。
興味深いことに、北京や上海のような大都市でも、日本の別荘ブームの時に華やいだ高原でもなく、中国で不動産バブルが膨らんでいるのは、≪観光都市として有名な杭州市(コウシュウシ)≫≪華南地方最大の港湾都市の厦門(アモイ)≫≪中国最南端に位置する海南島(ハイナントウ)≫といった沿岸地域。
    
ハルビン.gif(ハルビン)出身の友人も、一年前 ≪厦門(アモイ)※≫に、不動産を購入した。
1980年代の日本へタイムスリップしてバブル期を体験する感覚で、先月 その地を訪れた。
日本では、軽井沢、那須、志賀、清里、蓼科など、標高が高く冷涼な高原エリアに避暑地として、一戸建ての別荘を構える人が多かった。
一人もしくは夫婦・子供など、集まる単位は小規模(1~4名程度)で、都心の喧騒から離れて、新鮮な空気と四季折々の自然景観の中に身を潜めるスタイルである。
アモイ(中国の一例として)の別荘地は、警備が行き届いたリゾートマンション群の一角にあった。リゾート地としては開拓の途上にあるのか、周りも建設中の高層マンションが目立つ。
折しも、時期が旧正月ということもあったのか、彼女の家族や親戚の方々が大勢集まっていた。三日間の滞在であったが、その方たちと、ずっと一緒に観光したり、食事をしたり、と行動をともにした。集まる単位は、5~8名と多く、親族・縁戚・地縁との結束力が非常に固い。食事やお酒を一緒に楽しみ、おしゃべりをしながら交流を深めるスタイルである。
中国人と日本人の違い(大).gif
わずか数日、垣間見ただけの旅行であったが、中国と日本のリゾート地に対する発想や行動様式の相違から、性質や思考パターンの違いまで、肌で感じることができた。
昨今、リサーチ業界の間でも「中国でのビジネス展開に向けての嗜好調査」「在日・訪日者の意識と実態を把握するための調査」といった依頼が珍しくなくなってきた。
所得の伸長が著しい中国。今後は「急激なライフスタイルの変化にともなった調査」の案件などが、ますます増えることが予測される。
中国人と日本人は二千年にわたる文化交流の歴史があり、お互いに深い影響を及ぼし合ってきた、とされている。しかし、中国と日本は、文化的にも、歴史的にも、様々な見方、感じ方の違いが見られるのである。
調査の現場でも、相手の習慣や思考パターンを充分に理解して、お互いの誤解を招くことがないよう、その背景にある文化や言語心理を知っておくことが重要なことだと思われる。
※厦門(アモイ):中国福建省の南東部、台湾の対岸に位置。古くから貿易港として栄えたエキゾチックなハーバーシティで、人口は約260万人、アモイ島市街地には約170万人が生活。