株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
企画部 ディレクター 牛堂雅文

「安定した生活を送りたい」93.4%と強い安定志向が見られる一方で、

「日本は必ず復興する」73.3%、「節電に協力したい」72.4%と、
強い復興への信念と、節電による協力意向が見られた。

このたびの「東日本大震災」で被災されましたお客様、また関係者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。また、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

弊社では「東日本大震災」以降の関東・関西における状況や、生活意識を把握し、迅速な日常生活・経済活動復興の一助にさせて頂く事を目的に、3/24(木)25(金)、自主企画調査として【震災後生活意識調査】を実施致しました。

本調査結果の公表により、各企業・団体様の事業復興を通じ、日本社会復興のお役に立てれば幸いです。
 
調査設計



本調査の調査地域は、直接の被災以外にも影響が大きいと思われる「関東」と、距離も遠く間接的な影響が主体になると思われる「関西」、2大消費地でもある2エリアの比較を通じて今後の動向を推察できるよう、「関東」と「関西」に設定しました。
 ・調査手法:弊社モニターパネルに対するWeb調査
 ・調査期間:2011年3月24日(木)~同25日(金) 
 ・調査対象条件:15~59才一般男女
 ・調査設計/調査地域: 標本数800s (関東400s/関西400s) 
 

調査設計.png

 

なお、「定量調査は客観性を重視し、推測・解釈を挟まない」という発想もありますが、今回はこのデータからの推察・読み解きにまで踏み込んでいることを、あらかじめご了承頂けないでしょうか。

震災の発生で不安に感じている点



「不安に感じている点」では、いまだに問題が継続中である「福島原子力発電所の状況」が67.6%で最上位になっています。

(※ただし、調査実施時期が3/24、25であり、海洋への放射性物質漏れの報道などが反映されていないことは考慮すべきでしょう。)

震災で不安に感じている点.png


作物などについての「風評被害」という言葉をよく耳にしますが、「食物や水に対する不安」が第2位にあがっていることからも、「風評被害」が発生しやすい状況にあることが分かります。

なお、「食物や水に対する不安」は女性、それも50代、30代の女性で高い傾向が見られます。
(全データはスペースの都合もあり掲載しておりません。詳細データにつきましては弊社までお問い合わせ下さい。)
先述の上位2項目、そして5位の「余震の発生」、6位の「日用必需品の不足」等も含め、関西に比べ関東で高い傾向が見られており、今回の震災の関東への影響の大きさを物語っていると思われます。
震災後の基本的な生活意識



「震災後の基本的な生活意識」では、「安定した生活を送りたい」で「そう思う」が93.4%と、他の設問も含め全ての生活意識項目の中で最多となるなど、実に多くの方に共通して感じられている意識であると分かります。
この安定志向は、今後の日本市場を考える際の大きなトレンド、ベースとなる概念になる可能性があります。

それに連動していそうな意識として、「地道に生活したい」67.4%、「節約して暮らしていきたい」66.1%が上位に挙がっており、堅実志向の台頭が目立ちます。

震災後の基本的な生活意識.png


また、別の観点としては、「周りの人との関係性を大事にしたい」69.0%、「人の役に立ちたい」59.6%、「社会に貢献したい」54.4%と、周囲の人への意識や社会貢献意識がいずれも肯定回答で5割を上回っており、「人との関係」の重視も無視できない流れと言えそうです。
一方で、「変革・チャレンジをしたい」は「そう思う」が35.1%、「海外で活躍したい」16.8%と、下位になっており、安定性の対極にあるような概念の重視度は高くないようです。
震災後の消費・生活意識



先ほどの基本的な意識よりもう少し具体的かつ、震災の影響を受けていそうな意識についての設問も聴取しました。
この中で最も肯定回答が多かったのが、「日本は必ず復興する」73.3%、であり、本調査の実施で我々が最も勇気づけられた回答です。
次いで「節電に協力したい」72.4%が上位に挙がり、希望を持ち個人でできる協力を行う生活者の力強い意志・姿勢を感じました。

震災後の消費・生活意識.png


 一方、この調査のタイミングで話題になっていた「買い占め」に関する設問を見ると、「日持ちする製品を優先して買いたい」43.1%、「品薄なものはまとめ買いしておきたい」19.8%と、強く買い占めをにおわす結果ではありません。
しかし、「日持ちする製品を優先して買いたい」は「意識が強くなった」という回答が31.3%となっており、これだけでも品薄に拍車がかかる可能性があります。
そして、なにより「食品と水に対する不安意識」が高いという基本的な心理がある以上、実際の店頭ではここで見られる数字以上に買い占めが行われている可能性が考えられます。
本人に「買い占め」という意識がなく「前倒しで買う」、あるいは「普段1つしか買わないものを2つにする」、たったそれだけで実売数は大きく影響を受けるはずです。

それゆえ、今回の調査結果は、本人には「いつも以上にまとめ買いしている」「買い占めている」という意識があまりなく、買い占め実態がデータに表れにくかった…と読み解くべきかもしれません。
いずれにせよ、日本の復興を信じつつも、原発への不安が消え去っていない現状ゆえ、食品、水など身近な消費に対する「自己防衛意識」が強まっていると考えることもできます。

震災発生後の情報源


情報源に関しては、今回の震災で「ラジオ」が見直され、ツイッターなどのSNSも評価される傾向が見受けられますが、調査結果ではどのような結果となっていたのでしょうか。
利用した情報源としては、「テレビ」が85.1%と最多となり、「PCのニュースサイト」46.9%と、2大情報源となっています。それ以降では、「新聞」24.6%に続き、「ラジオ」が18.8%と4位に挙げられました。あいにく震災以前のデータを保有していませんが、「新聞」に肉薄する「ラジオ」の数字は決して少なくはないと感じられます。

震災発生後の入手情報源.png

一方で「ツイッター・mixiなどSNS」は8.4%とラジオの半数以下にすぎませんが、「携帯メール」「PCのメール」などパーソナルメディアの中では最多となっています。


情報入手源のイメージ



また、利用者の情報原に対するイメージでは、「テレビ」は「情報が早い」71.7%、「臨場感がある」32.6%、一方で、「情報が横並びでほぼ同じ」29.8%、「行き過ぎと感じる」22.9%といったイメージも持たれていました。
「ラジオ」では「いざという時頼りになる」が34.0%と他の情報源に比べても多く、「災害に強い」という一面が評価されたことが分かります。また、2割を切るものの、「情報が客観的」19.3%、「落ち着ける」17.3%といったイメージもみられており、震災報道のあり方が再評価されたものと推察されます。


情報入手源のイメージ.png


また、「ツイッター・mixiなどのSNS」は「情報が早い」65.7%といったリアルタイム性の側面以外にも、文字・静止画中心という制約があるにも関わらず、「臨場感がある」29.9%、「情報が豊富」20.9%といったイメージが持たれ、さらに「情報を主体的に選べる」28.4%と、「テレビ」と「PCのニュースサイト」の中間のような独特な位置づけの情報源となっていることが読み取れます。


最後に



この記事では、スペースの都合で全てのデータがご紹介できなかったため、今回は一部を抜粋してお伝えしました。ただ、一部であってもそこから見え隠れするものは多く、今後の生活者意識を把握し、みなさまの企業活動を通じて日本を復興・活性化する参考材料として頂ければ幸いです。
弊社にはより詳しいデータもございますので、もしご関心を持って頂けましたら、弊社までお問い合わせ頂けますと幸いです。

そして、弊社では本調査を再度実施し、時系列変動も追いたいと考えておりますので、調査結果をお待ち頂けますと幸いです。