株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
DGI 室 ディレクター インタビュアー吉田 聖美

今回までお正月ネタを引きずって書きたいと思います。
年末年始は、地元に帰省していたという方も多いのではないでしょうか。JR東日本利用者367万人、ANA国内線の利用者158万人など、この年末年始も大移動が行われたようです。
私も年末年始は九州(佐賀)の実家に帰省していました。私は旅行含め、出かけ先のスーパーを観察するのが大好きです。空港や駅の土産物店とは違う、地方独特の商品が取り扱われていてワクワクします。
今回も実家近くのスーパーを散策してみました。
地方色は以前と比べ、薄れつつある気がします。かつてはスーパーでも「九州限定」との記載があるお菓子が色々並んでいたのですが、それは少なくなりました。
ちなみに、福岡空港では、九州限定カール、プリッツ、かっぱえびせん、など限定お菓子が並んでいました。考えてみれば、スーパーは「地元の人の台所」、空港は「他所の人を意識した表玄関」なので、当たり前なんですけどね。
余談ですが、空港に並んでいたしょっぱい系のお菓子が明太子味に傾倒していたのは、他にも美味しいものあるのに・・・と気になるところです。辛子高菜とか、豚角煮とか、ゆず胡椒とか、ダメかしら?甘い系のお菓子では、でこぽんハイチュウ、銘菓ひよこペロティ、夏みかんポッキーなどがありました。
また、九州でしか買えない商品も減りました。昔は実家から送ってもらっていた馴染みの即席麺なども普段買い物をする東京のスーパーで手に入ります。便利ではあるのですが、ちょっと寂しい一コマです。
パッと見でわかる地方色は薄れたのですが、よくよく店頭を見るとやはり地方色は出ており、品揃えや価格にそれを感じることが出来ます。お酒売り場に焼酎の4リットルペットボトルが並んでいる光景にはちょっとびっくりしました。
九州焼酎といえば芋焼酎のイメージが強い方もいらっしゃるかもしれませんが、九州北部では米・麦焼酎の方が主流です。そして、佐賀県は九州の中で唯一焼酎よりも日本酒が飲まれている県らしく、米・麦焼酎と清酒の紙パックがずらっと並んでいました。(同じお酒でもワインの消費量は全国最下位でした。平成16年の古いデータなので少し変わっているかもしれませんが。)
しょうゆ、みそ、たれなどの調味料売り場は地方の特色が出やすい、特に観察しがいがある場所です。しょうゆやみその品揃えは東京とは随分違いました。ゆず胡椒の品揃えの多さも特出しています。チキン南蛮のたれ、といった商品もありました。
こういった「九州限定」との記載がなく、当たり前に並んでいるものに特徴があるという「わかりにくい地方色」は地元の人やそこで育った人は気付きにくいものです。
以前、大阪のスーパーを東北出身の知人と一緒に回ったことがあるのですが、彼女が驚いた、粉もの(小麦粉、お好み焼き粉など)や出汁もの(いりこ、かつおぶしなど)の品揃えの多さが、私にとっては普通であった、ということもありました。
この「当たり前」と思っていたことが「自然に蓄積された文化」だったんだ、ということに気付くことはとても面白いことです。
食品、飲料もそうですが、日用品でも地方では全く違うニーズがあるかもしれません。食文化の違い、気候の違い、家屋構造の違い、生活時間の違い、普段何気なく自分の周りを取り囲んでいる要因が複雑に絡み合ってその人の価値構造を作り上げていると思うと、表に出てきているニーズだけではなく、その背景まで考えていくことの必要性を改めて感じます。
最後に宣伝ですが。(笑い)
JMAでは地方でのリサーチにも対応していますので、ご要望があれば是非お声かけ下さい。