~これは架空のリサーチャー:シブヤ龍太郎を主人公とした仮想の物語~

高齢者を探れ                    


駒 場「シブヤ、麻布、ちょっといいかな。頼みたいことがある。」上司:駒場栄二郎
上司の駒場が報告会からオフィスに帰ったばかりのシブヤと、後輩の麻布に声をかけた。
シブヤ「駒場さん、改まって何ですか?こないだの飲み会の話じゃないですよね?」主人公:シブヤ龍太郎の楽しげな表情
駒 場「まあ、それはそれだ(汗)、今回は特別なミッションがあってだな・・・。」
麻 布「特別なミッション…?」
駒 場「うちの会社が、介護分野の調査に力を入れていることは知っていると思うが、今度高齢者層の生活実態や意識について調べてみることになった。特に一人住まいの高齢者が気になっている。」
シブヤ「高齢者の調査ですか?」
駒 場「そうだ、基礎調査のようなものだと思って欲しい。」
駒 場「いつも通り、事前に意識などの仮説を作って調査を行いたんだが、介護調査の経験だけではどうしても対象が偏ってしまうので、割と元気な人も含め高齢者の意見を聞き、仮説を作った方が良かろう・・・という話になった。」
シブヤ「確かにちゃんと仮説を作らず調査をやったら、結果もぼやっとしか見えなかったり、偏った発見しかなかったりしますからね。」
駒 場「そう、そこで、二人に白羽の矢がビビッと刺さったわけだ。」
後輩:麻布さやか麻 布「といっても、どうしたらいいんでしょうね?私もおじいちゃん・おばあちゃんとは離れて暮らしていますし・・・。」
シブヤ「渋谷のセンター街にギャルならいますけど、高齢者はあまり来ませんしね・・・。」
駒 場「ふふふ…そう、渋谷にはいない…ここからが本題だ。」
シブヤ「…(おや?駒場さんの口調が変わった?!)」
駒 場「おはよう、シブヤ君。今回の君の使命だが、おばあちゃんの原宿【巣鴨】に行って高齢者の実態を観察し、実際に生の声を聞いてくることだ。例によって君もしくは君のメンバーが、おばあちゃん達の長い話に捕まって帰れなくなっても当局は一切関知しないからそのつもりで。なおこのテープは自動的に・・・いやなんでもない。」上司:駒場栄二郎の穏やかな表情
麻 布「…(今度は何のネタなの?)」
シブヤ「駒場さん、なんちゃら大作戦…最近で言うとミッション・インポッシブル…トム・クルーズになったつもりで行ってきます!」
駒 場「お!このネタが通じて嬉しいぞ!」
麻 布「スパイネタが好き…ということだけは分かりました。」
駒 場「まあ、そんなとこだ。最近流行の言い方でいうと「エスノグラフィ」かな?とにかく現地に行って、見て、聞いて高齢者の意識・実態を感じ取ってきてくれ、トム。」
シブヤ「ボス、わかりました。」
巣鴨へ行くなら「4」のつく日


シブヤ「トム・クルーズとかいってノリで安請け合いしちゃったけど、どうしようか?」
麻 布「やっぱりノリだったんですね…、そうじゃないかと思いました。」
シブヤ「ごめん!バレバレだったか。」主人公:シブヤ龍太郎の楽しげな表情
麻 布「もう、ダダ漏れってくらいバレバレです(笑)」
シブヤ「巣鴨、巣鴨…といえば、とげぬき地蔵だったかな?」
同期:難波隆の楽しげな表情 難 波「巣鴨に行くなら、4のつく日がいいみたいだぞ。」

 そこに、シブヤの同期で友人の難波隆が通りかかった。

シブヤ「隆!4ってどういうことだい?」
難 波「前に巣鴨に住んでいたんだけど、4日、14日、24日など、4のつく日には商店街で縁日をやっていて、出店がいっぱい出て賑わうんだ。それこそ赤いパンツとかあってスゴイよ。」
後輩:麻布さやか
 麻 布「へぇー、それ面白そうですね。でも、どうして「4」なんですか?」
 難 波「あれ、そういえばどうしてだっけ?えーと。」
 シブヤ「隆でもわかんないことあるんだな。」
難 波「物知り博士じゃないんだから(笑)、でも行ってみると面白いと思うよ。」
シブヤ「おう、サンキューな!」
巣鴨へGO!


シブヤと麻布は、社内でブレストをし、高齢者の意識・行動に関する多少の仮説をもって巣鴨へ向かった。
4のつく日の巣鴨は大賑わいで、色々な出店が出ている。

シブヤ「へー、これがおばあちゃんの原宿、巣鴨の地蔵通りか…。」
麻 布「洋服とか、990円で売っていますよ、安い!」
シブヤ「スイーツもあんみつとかなんだね。」
麻 布「あの、おばあちゃんが押しているベビーカーみたいなのはなんですか?」
シブヤ「あれは、シルバーカーといって足腰が弱くなったときに体重をささえたり、買い物の荷物を入れて歩くのにいいらしいよ。」主人公:シブヤ龍太郎の穏やかな表情
麻 布「荷物入れがない、ステッキにローラーが着いたようなタイプもあるんですね。」
シブヤ「本当に色々あるみたいだね。今までそこまで気がつかなかったよ。」
シブヤ「えーと、高岩寺?ここがとげぬき地蔵かな?」
麻 布「なんだかそんな感じですね。」
シブヤ「あそこでお線香を売っているよ。」
麻 布「お線香をケースに入れて持参している人もいますね。」
シブヤ「そうか、ここで身体の中で良くしたい場所に煙を当てるのかな?」
麻 布「腰とかに煙を当てている人がいますね。」
シブヤ「じゃあ僕は頭に・・・。」
後輩:麻布さやかの困った表情 麻 布「えっ、どこか悪かったんですか?」
 シブヤ「えーと(笑)、さらに鋭い分析が出来るようにってね。(頭髪が気になるとは言えない・・・。)」

巣鴨の風景.jpg


現地でのインタビュー


そして、二人はとげぬき地蔵(高岩寺)にお参りした後、巣鴨を歩いている方に直接お話を聞いてみる事にした。
シブヤ「こんにちは、巣鴨に来られている方にご意見をお聞きしています。よろしければ、少しだけお時間を頂戴してもよろしいですか?」
志 村「取材ですか?まあいいですよ。」
シブヤ「…(そうか、ここは取材が多いのか)」
お年は70才位だろうか、元気そうにみえる女性の方がインタビューに応じてくれた。
後輩:麻布さやかの楽しげな表情 
 麻 布「巣鴨にはよく来られるんですか?」
 
 志 村「そうですねー、毎月来ていますね。4のつく日に来ていますよ。」
志村さん(仮名)は電車で数駅のところから来られている独居の女性であり、健脚であちこちに出かけられているそうだ。話題は、普段されているハイキングの話、健康の話など、多岐にわたった。
シブヤ「普段生活されていて、なにか不安に感じることはありますか?」
志 村「そうですね・・・、前にひったくりにあったことがあって、大変だったのよ。」
麻 布「ひったくりですか!」 主人公:シブヤ龍太郎の困った表情
志 村「そうなの、後ろから近づいてきてカバンごと持っていかれちゃって、警察に届けたんだけど見つからなくて…。」
シブヤ「大変でしたね…。」
志 村「それから怖くて、カバンには少ししかモノを入れないようにして、いつも後ろに気をつけてるんですよ。」
麻 布「そうなんですか…。怖いですね。」
志 村「お友達でひったくりにあって転んでケガしちゃった人もいて、本当に怖いんですよ。」
シブヤ「…(なるほど、オレオレ詐欺は報道されているから気がつくけれど、こういった犯罪に合うこともあるのか…。こういうことは実際に聞いてみないと分からないな。)」
しばらくお話をお聞きした後、志村さんにお礼を言ってインタビューを終了した。

ミッションコンプリート ~ 現地に行った収穫


麻 布「色々話してもらえましたね。」
シブヤ「やっぱり実際に来てみてよかったよ、そして聞いてみないと分からないことも多いよね。」 
麻 布「本当にそうですね。」
シブヤ「それに、ここに来ている人たちは比較的元気な感じで、介護の調査で聞いたときとまたちょっと違う感じがしたんだ。」
麻 布「月に1回ハイキングはスゴイです、私でも無理かも…。」
シブヤ「健康や犯罪の不安はあっても、生き生き楽しく暮らしている人もいるし、シルバーカーを使ってここまで来ている人もいっぱいいたし、ここに通って友達が出来たって人もいたね。」
麻 布「そういえば、彼女さん(女友達)がいっぱいいる男性もいましたよね。彼女さん10人くらいでしたっけ?」
シブヤ「そうそう!なんだかスゴイよね。元気な高齢者ってこういう感じなんだね。」
シブヤ「よし、今日分かったことと、介護調査で分かったことなどを集めて、ここから仮説を練り直してみよう。」
後輩:麻布さやかの楽しげな表情  麻 布「はい!じゃあ今年も頑張っていきましょう。」
  シブヤ「2011年、本年もどうか宜しくお願い致します。」 主人公:シブヤ龍太郎の穏やかな表情

シブヤ龍太郎のリサーチファイル「高齢者調査編」、今後定量調査の実施を検討しております。
そして本年も【シブヤ龍太郎のリサーチファイル】を、どうかよろしくお願い致します。