株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
代表取締役社長 澁野 一彦

ベネフィット構造分析


発売当時は評価の高かった商品も時間の経過とともに競合メーカーがより優れた商品を発売してくることによって相対的に色あせたものになっていく。
また現在のように商品市場を取り巻く急激な環境変化の中で生活者の当初有していたベネフィットも形骸化し、ブランドの位置づけも変化していく。ベンチマーク調査では、商品・ブランドのイメージやベネフィットの変化も定期的に測れるようにしておく必要がある。
ブランドイメージでブランドのポジション(変化)をマッピングする手法としてコレスポンデンス分析がある。これは二次元上で評価の似ているもの同士を近くに集める手法で、当該カテゴリーの中でブランドの位置づけを感覚的に俯瞰するには有効である。
ただその商品のベネフィットを形成する構造まで分解してみることはできない。
ここでは定性調査でよく利用する評価グリッド法を使った定量的なベネフィット構造分析を紹介する。
①まず定性調査で、対象カテゴリーのベネフィットを抽出する
②抽出されたベネフィットを整理し構造化する(仮説)
③このベネフィット構造の指標で当該カテゴリーや主要商品ごとに想起ボリュームを確認・検証する。
●カップスープのベネフィット構造を定量的に整理       
マーケット構造2.gif
同様に自社商品、競合商品の定量的なベネフィット構造分析を行い、それぞれを比較対照することで自社商品のユニークポイント、強み、未充足価値や経年での構造゚変化を見つけ出すことができる。本来定性調査で仮説を導き出し、定量調査でその仮説を検証するというのがセオリーであるが、この構造分析もしっかりした仮説モデルを作って実施したい。
マーケティングは文化を創造する(余談)


1990年代 フランスの哲学者B・スティグレールが、「マーケティングは伝統的な家族や文化の枠組みを奪い生き方をめぐる複雑なかつ豊穣な情報のイメージを"アメリカ式生活"へと単純化・画一化させ、地域に根ざした固有の文化を貧困化させた」といった。
このような誤った理解に対して"憤る?"マーケターを代表してコトラーは、「マーケティング3.0」で企業から人間中心、また個人から社会課題の解決へという新たなマーケティングの方向を呈示する。
また企業が成長を続けるためには、生活者に共感してもらえ、かつ生活者と協働で社会・文化的な変化を創出していくことが必要であるともいう。
これまで社会や文化はマーケティングを遂行する上での環境要因として取り扱われてきたが、これからは正面からその変化、創造に積極的に働きかけていくことが望まれてくるといえよう。
次回へ続く・・・・・。