株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
DGI 室 ディレクター インタビュアー吉田 聖美

コリドーテクニック」と言うヒアリングの手法があります。
もともとはカウンセリングの現場で使われている瞑想法ですが、定性調査でも使うことがある手法です。
この手法、先日体験する機会がありました。普段モデレーターをやっている私は、自分が問いかける側を経験したことはありますが、問いかけられる被験者側に回ったのは初めてです。
調査でこの手法を使うときには、対象者に目を瞑ってもらい、空想の中で長い廊下を歩いていってもらいます。奥にはドアがあり、そのドアの向こうには○○の景色が広がっています、そこに見えたものを教えて下さい、という流れで使うことが多いです。
ドアを2つ用意し、1つ目のドアの向こうにはAブランドのある光景、2つ目のドアの向こうにはBブランドのある光景、という形で比較してもらうこともあります。
今回私が体験したのは、目を瞑って最後に長い廊下を歩いてドアを開けるところは同じなのですが、その奥に見える景色を絵にしてみて下さい、というアートセラピーと組み合わせた使い方でした。
そして、その世界にどっぷりと入り込むため、最後の廊下にたどり着くまでにたっぷりと瞑想の時間を取っていました。(その時間が長くて私は途中で不安になったのですが、周りの人に話を聞くと不安を感じなかった人もおり、そこも何かを反映しているのかもしれません。)
今回の体験を経て、感じたことが3つあります。
まず、1つ目ですが、自分の気持ちを語ることに長けており、自分をさらけ出せる人は女性の方が多い、ということ。(あくまでも一般論なので、そうでない男性もいらっしゃいます。あしからず。)
グループワークで、メンバーの中には男性もいたのですが、男性は頭で理性的、客観的に考えており、本当の心の扉を開けきれていない感じがありました。最後の扉の向こうには自分の世界が広がっているという設定だったのですが、彼の扉の向こうには扉が3つあって、その奥には入ることは想定されていませんでした。
そして、慣れない場所で、初対面の人に囲まれ、自分のことを話すということは負担感がある、というのも改めて感じたところです。だからこそ、モデレーターの仕事の最初の1歩である会場の雰囲気作りを軽視してはいけないなと思いました。
後から思い返して感じたことがもう1つ。声の大切さです。セミナーの講師である、以前モデレーターに従事していた知人は、ハリがありつつ、柔らかくて、ステキな声の持ち主で、その声に癒されました。モデレーターの声は癒しだけでは不足かと思いますが、今後同じようなテクニックを使用することがあったときには、見習いたいと思ったところです。
今年の終わりに、普段自分がやっていることとは逆の、聞かれる方の気持ちを体験することができ、貴重な機会となりました。