~これは架空のリサーチャー:シブヤ龍太郎を主人公とした仮想の物語~


店頭で迷う楽しみ                   


後輩:麻布さやかの穏やかな表情麻 布「今日は少しだけ飲みたい気分ね・・・。」
仕事帰りに近所のコンビニに立ち寄ったのは、シブヤの後輩のリサーチャー、麻布だ。

麻 布「ライム・・・?えーと、こんな缶チューハイ出てたかな?新製品かも・・・。」
麻 布「アセロラ?こんなのもあるんだ。へー、かわいいな。」

会社帰りのコンビニタイムは、新製品をあれこれ眺めたり、少し楽しみながら一息付ける時間になっているようだ。
そして、翌日オフィスにて。

シブヤ「トリスハイボール新発売かー。色々出るね-。」主人公:シブヤ龍太郎

席に回ってきた業界新聞を見ながら、シブヤがつぶやいた。
麻 布「シブヤさん、そういえば、最近ライムとか、アセロラとか色々な缶チューハイも出てますよね。」
シブヤ「そうそう、色々発売になると気になるよねー、仕事柄もあるけど、目移りしちゃうな。」
麻 布「私も昨日そんな感じだったんですよ。」
シブヤ「分かる分かる!迷うけど、またそれが楽しいんだよ。」
麻 布「そうなんですよ!」
シブヤ「それで、どう迷っていたの?」
麻 布「えー、ライムとアセロラがあって・・・、グレープフルーツがあって・・・?あれ・・・?飲んだせいか忘れちゃいました(笑)。」
シブヤ「分かる分かる!飲むとアレだし、店を離れるとドンドン忘れちゃうしね。」
麻 布「本当に!」
シブヤ「あの迷っている感じって、後になるとあんまり覚えていないんだよね。記憶力が悪くなってるのかな・・・。」
麻 布「そういえば、最近、アレとか、ソレってセリフが多いような・・・。」
シブヤ「ソレ本当?、ソレはアレだよ・・・・・・はっ!」  主人公:シブヤ龍太郎の困った表情
後輩:麻布さやかの楽しげな表情
麻 布「(笑)ところで、買う商品って、実際にはどのくらい事前に決めているんでしょうね?私みたいに店頭で悩みながら買っている人は多いんでしょうか?」
シブヤ「ソレなら、実は非計画購買率を調べたデータがあるんだ。」
 

非計画購買率グラフ.png


麻 布「割とみんな店頭で決めているんですね!」
シブヤ「非計画購買率は、ざっと見て7割くらいかな。商品カテゴリーによっても違うモンだね。」
麻 布「えーと、チューハイを見ると75%が非計画購買ですね、私は多数派でした♪」
店頭での迷いを探れ


そこに電話がかかってきた。電話の主は得意先である【ジャパンドリンク社】の大崎だ。
大 崎「シブヤさん、先日のギャル調査ではお世話になりました。」
主人公:シブヤ龍太郎シブヤ「こちらこそありがとうございました。」
大 崎「ところで、今回はまた別のお願いがあってご連絡しました。前に御社のメルマガに書かれていたショッパーインサイトの調査についてお聞きしたいんです・・・。」
「ショッパーインサイト」とは、店頭での「なんとなく」の購買心理をさぐることを指し、通常の「コンシューマーインサイト」だけでは見えてこない心理だとも言われている。
シブヤ「ショッパーインサイト調査ですね!ありがとうございます。どのあたりに関心を持って頂いたのでしょうか?」
大 崎「実はふとしたことで、弊社の商品が結構他のブランドと間違われており、よくよく聞いたら他社商品ユーザーだったと気がついたことがありまして・・・。また、別のケースでは新商品が発売される度にシェアがコロコロ動くなど、店頭でのブランド決定要因を把握することが急務になっています。」
シブヤ「分かりました。・・・では、ご説明にお伺いしますので、○日の午後はご都合いかがでしょうか?」
シブヤはアポを取って、電話を終えた。
シブヤ「麻布さん、噂をすればなんとやら、ジャパンドリンク社の大崎さんからショッパーインサイトの相談だよ!」
麻 布「すごいタイミングですね!」
シブヤ「そうそう、これは駒場さんにも来てもらおう。」
シブヤは上司の駒場の席に向かった。
駒 場「大崎さんはなんだって?」上司:駒場栄二郎の穏やかな表情
シブヤ「店頭でのブランド決定要因を探るそうで、ショッパーインサイト調査に関心があるそうです。」
駒 場「おっ、これは秘密兵器【ビデオ内蔵グラス】の出番だな!」
シブヤ「いよいよですね!」
ここで、話は2ヶ月前に戻る。
視覚の死角


梅 田「ちょっとー!私が買ったネギが写ってないわよ。」先輩:梅田陽子

梅田はシブヤの先輩で、定性調査のモデレーターでもある。
今日はショッパーインサイトの自主調査の対象者役となってライフログカメラを首から下げてもらい、地元で買い物をしていた。買い物を終えた後、近くの喫茶店で先ほど撮った画像を確認していた。

シブヤ「あっ、本当だ。一番下の棚はうまく撮れていませんね。」主人公:シブヤ龍太郎の穏やかな表情
梅 田「こっちのビールはちゃんと写っているけど、最初に買ったネギはダメみたいね・・・。」
シブヤ「ネギの置いてあった位置が低すぎるからですかね・・・。首から下げたカメラの限界なのかな?」
首から提げ、胸の前で撮影するタイプのライフログカメラを使ってショッパーインサイト調査を行っていたのだが、思わぬ死角が存在したようだ。
梅 田「まあ、ビールが大事だったから問題ないと言えばないんだけど、気持ちとしてはネギ買って、盛り上がってきてビールコーナーに行ったから、写っていないと微妙に感じが違うのよね。」
シブヤ「なるほど、それもそうですよね・・・。しかし、どうすれば下まで写るのかな?」
この日は取りあえず、カメラの取り付け位置などを調整して再度トライしてみたが、死角が消えるまでには至らなかったようだ。
翌日、オフィスにて・・・。

シブヤ「駒場さん、昨日梅田さんに協力してもらったんですが、下の方にあったネギがカメラに写っていないんですよ。」
駒 場「ネギって、あのネギか?初音ミクが持っている…いやそれは置いておいて、ネギは長いから端っこくらい写りそうなもんだが・・・。」上司:駒場栄二郎の穏やかな表情
シブヤ「駒場さん、そんなネタまで詳しいんですか…!!守備範囲広すぎです。ではなくて、ネギは売り場の下の方にありまして。」
駒 場「そうか…実はそんなこともあろうかと思って。えーと、これを見ろ。」
駒場がPCの画面を見せた。
シブヤ「あれ、これはメガネ?芸人がかけそうな縁の厚いヤツですね。」
駒 場「あぁ、そういう風にも見えるが、これはカメラになっている。」
シブヤ「本当だ!カメラなんですか?」シブヤ龍太郎の気づいた表情
駒 場「あぁ、動画が撮れるらしい。スポーツとか、作業の記録に使うんだろうが、ちょっとこれを使って見たらどうだ?」
シブヤ「まさに秘密兵器ですね。」
駒 場「007の「Q」が作ってそうな勢いだろ。」
シブヤ「今日はネタ満載ですね。」
駒 場「きっと、作者がノリノリなんだろう。」
シブヤ「もしかすると、視線を記録するアイトラッキングもできたりするんですか?」
駒 場「実はメガネ型のそういう製品もあってな。こないだアイトラッキングメーカーの営業の人に話を聞いてみたんだ。でも、もう少し大きくて、電池の持ちもあまり良くないし、どこでも使えるというワケにはいかないみたいだ。まあ今のところ会場での調査専用だろうな。」
シブヤ「それは惜しいですね。」
駒 場「そうだな、そこで他の場所でも使えるこの【ビデオ内蔵グラス】の出番ってことだ。」
シブヤ「なるほど!」
駒 場「ちょっとこの【ビデオ内蔵グラス】を試してみてもらえないかな?」
シブヤ「分かりました。」
シブヤ龍太郎のリサーチファイル、「ショッパーインサイト編第2弾」は次回、実際の調査編となります。
次回をご期待下さい。